- 紹介営業って何?
- 紹介営業のメリットとデメリットは?
- 紹介営業ってどうやってやるの?
このような悩みを解決する記事となっています。
紹介営業は、営業方法別の新規営業のアプローチ方法の一つになります。
ここでは、紹介営業の定義やメリットとデメリット、やり方のコツ等についてご紹介します。
紹介営業とは?
紹介営業とは?について、以下の2つの軸で見てきましょう。
- 種類:営業方法別の新規営業のアプローチ方法の一つ
- 定義:人から顧客を紹介してもらう営業
種類:営業方法別の新規営業のアプローチ方法の一つ
営業の所属先には形態別の「メーカー営業/代理店営業/商社営業」、商材別の「有形営業/無形営業」、方法別の「ルート営業/新規営業」、顧客別の「法人営業/個人営業」があります。

また、営業のやり方には、手法別の「御用聞き営業/提案営業/ソリューション営業」、アプローチ別の「飛び込み営業/電話営業/紹介営業/反響営業」があります。

この中でも紹介営業は方法別の新規営業のアプローチ方法の一つに分類されるものになり、他のアプローチ方法に「飛び込み営業」「電話営業(テレアポ)」等と呼ばれるものがあります。
- 飛び込み営業:アポイントなしで顧客へ訪問する営業
- 電話営業:電話で商談のアポイントを取り付ける営業
- 紹介営業:人から顧客を紹介してもらう営業
- 反響営業:問い合わせがあった顧客に対する営業

このように新規営業にはいくつかアプローチ方法があるのですが、それぞれメリットとデメリットがあるので、状況に応じて使い分ける必要があります。
定義:人から顧客を紹介してもらう営業
紹介営業とは「人から顧客を紹介してもらう営業」となります。
その名の通り、知り合いや取引先、得意先(=紹介元)から新規の見込み顧客(=紹介先)を紹介してもらう営業となります。
営業からは「〇〇の企業や人を紹介して欲しい」と紹介元に伝えて、紹介元は「◇◇の商品がおすすめだから一度話を聞いてみない」と見込み顧客になりそうな人に声をかけてもらいます。
そのため、このように「おすすめだよ」と紹介された顧客とは既に一定の信頼関係がある状態でスタートするため、受注までの時間を短縮できたり、受注確率を上げることができます。
また、先ほどの図の通り、紹介営業は、新規営業の顧客へのアプローチ方法の一つで、商談においては提案営業かソリューション営業を駆使して進めていきます。
紹介営業のメリットとデメリット
次に、紹介営業のメリットとデメリットを解説していきます。
紹介営業のメリット
紹介営業のメリットは以下の3つになります。
- 時間とコストを抑えられる
- 受注率が高くなる
- 価格の勝負になりにくい
メリット1:時間とコストを抑えられる
飛び込み営業や電話営業と比べると、時間とコストがかなり抑えられます。
飛び込み営業の場合、訪問するまでの時間とその移動にかかる交通費がかかりますし、相手にされず何も収穫なく終わることもあります。
また、電話営業の場合も、電話をかける先のリストを用意して、片っ端から電話をしていくのですが、そもそも商談のアポイントを取れることの方が少ないです。
一方で、紹介営業は、紹介元の人が見込み顧客を探してくれますし、一定の信頼関係がある状態でスタートするため、信頼関係の構築に時間も要しません。
メリット2:受注率が高くなる
案件を受注するためには、信頼関係の構築は必須条件になります。
「この営業マンは信頼できる!」「この会社は信頼できる!」「この商品は信頼できる!」等といったように、様々な観点で顧客から信頼を構築する必要があります。
飛び込み営業や電話営業のように、信頼がゼロからスタートする場合は、信頼構築の難易度が高くなるんですが、紹介営業のように一定の信頼関係がある状態でスタートする場合は、その難易度が低くなるため受注率も高くなります。
顧客の立場に立った際に、いきなり訪問してきた営業マンを信頼するか、知り合いから「おすすめだよ」と言われて紹介された営業マンを信頼するかを考えてみると、その理由は分かると思います。
メリット3:価格の勝負になりにくい
通常の営業であれば、たとえば何かしらの付加価値をつけることができず他社と同等の解決策を提示した場合、価格だけの勝負になってしまい、利益を削らなければならない事態に陥ってしまいます。
しかし、紹介営業の場合は、その価格だけの勝負を避けられる可能性が高いです。
先ほどと同様、他社と同等の解決策しか提示できなかった場合であっても、プラスアルファで既に紹介元の人の成功体験の話があるので、「〇〇さん(=紹介元)のところでも評価が高かったから間違いない!」となり、価格の勝負から抜け出せる可能性があります。
紹介営業のデメリット
紹介営業のデメリットは以下の3つになります。
- 紹介してくれるまでに時間がかかる
- 紹介元との関係性が悪くなる可能性がある
- なかなか見込み顧客に辿り着けない
デメリット1:紹介してくれるまでに時間がかかる
何でもかんでも「紹介してください」と言えば、紹介してくれるわけではありません。
あなたが信頼を寄せていない人に紹介してくれと言われたら、「は?なんでですか?」となりますよね。
誰かに商品なり人なりを紹介するときは、必ず「自分が信頼できる!」と思ったものになります。
そのため、まずは見込み顧客を紹介してもらえるようになるためには、時間をかけて紹介元の人との信頼を構築をしなければいけません。
デメリット2:紹介元との関係性が悪くなる可能性がある
万が一、紹介された見込み顧客へミスや失礼な態度を取ってしまったら、紹介元とも関係性が悪くなってしまう可能性があります。
もし、あなたが自信を持って紹介した人が、紹介先で信頼を裏切るような行動を取ってしまったらどうなるでしょうか。
おそらく、紹介先の人があなたに「なんであんな人を紹介したの?時間の無駄だから適当に紹介しないでください!」と怒られてしまうでしょう。
そうなると、あなたも「せっかく紹介してあげたのに、なんで私の顔に泥を塗るのか」と、最悪の場合その紹介した人との関係性を切ってしまうと思います。
そのため、紹介してもらった立場をわきまえて、丁寧に対応する必要があります。
デメリット3:なかなか見込み顧客に辿り着けない
あくまで紹介先を決めるのは紹介元の人のため、こちらから見込み顧客を選ぶことはできません。
さらに、紹介された顧客の見込みが薄いと分かっていても、紹介された立場である以上、「その企業なら結構です」と断りづらくなります。
このように、なかなか見込み顧客に辿り着けないといったことが起こる可能性があります。

紹介営業は、紹介元への依存度が高くなることを肝に銘じておきましょう。
紹介営業のコツ
ここからは具体的な紹介営業のコツについて解説します。
紹介営業ならではのコツについては以下の4つあると考えています。
- 信頼関係が構築できている人に紹介してもらう
- 紹介元に価値を提供し続ける
- 紹介元にターゲット顧客を明文化して伝える
- 紹介元に資料を作って渡す
コツ1:信頼関係が構築できている人に紹介してもらう
片っ端から「紹介してください!」と言うのはやめましょう。
特に信頼関係が構築できていない状態で紹介を依頼しても、紹介元からすれば「なんでまだあなたのこと信頼してないのに他の人に紹介しなければいけないの?」「この人は紹介してもらうことが目当てなの?」と思われてしまい、紹介すらしてもらえず関係が悪くなってしまいます。
また、仮に紹介を快諾してくれたとしても、関係性が浅い分、会社のことや商品のことを紹介先企業に正しく伝えられず、トラブルが発生してしまう可能性があります。
そのため、契約しなかった顧客や契約成立前の顧客は避けて、しっかりと信頼関係が構築できている顧客や知り合いに紹介してもらいましょう。
コツ2:紹介元に価値を提供し続ける
紹介営業は、基本は知り合いや既に取引のある顧客が紹介元になります。
そのようなある程度関係性がある人に対して、適度に何かしらの価値を提供し続けなければなりません。
心理学では「返報性の法則」というものがあり、人に何かをしてもらったときに「お返しをしないと気が済まない」と感じる心理のことです。
たとえば、スーパーで販売員に試食を勧められたら「食べさせてもらったし、買わないと悪いかな」と思ってつい買ってしまうのも返報性の法則に当てはまります。

紹介元の人に「紹介してあげたい!」と思われるように価値を提供していきましょう。
コツ3:紹介元にターゲット顧客を明文化して伝える
デメリット3でお伝えした通り、紹介される企業や人は紹介元に依存してしまいます。
見込みの薄い顧客をやみくもに紹介されていては、営業、紹介元、紹介先、誰もが時間を無駄にしてしまうことになります。
そのため、そこはある程度こちらからもコントロールしなければいけません。
コントロールするためには、まずどのような顧客を紹介して欲しいのか(=ターゲット顧客)を明文化して伝えなければいけません。
たとえば、法人顧客、個人顧客それぞれの場合には、主に以下のような顧客の切り口があります。
- 業種
- 売上
- 利益
- 従業員数
- エリア
- 資本金
- etc…
- 家族構成
- 性別
- 年齢
- エリア
- 不動産経営者
- 上場企業の役員
「製造業界、売上1,000億円以上、従業員1,000人以上のIT部門の方を知っていればご紹介ください」と言ったように具体的に伝えるようにしましょう。
コツ4:紹介元に資料を作って渡す
ターゲット顧客を明文化するだけでは不十分です。
仮に、紹介元の人が「ぜひぜひ紹介しますよ!」と言ってくれたとしても、紹介先に紹介予定の商品を正しく伝えられなければ、「聞いてた話と違う」となってしまいます。
また、商品のメリット等を訴求してもらわなければ、「利益が少なそうだし今回は結構です」と断られてしまう可能性があります。
そのため、紹介元の人が紹介先に上手く伝えられるような資料も合わせて渡すようにしましょう。
まとめ
本記事では、紹介営業の定義やメリットとデメリット、やり方のコツ等について紹介しました。

紹介営業以外の営業をまとめて知りたい方は、是非以下の記事もお読みください。