- 新規営業って何?
- 新規営業の仕事内容は?
- 必要なスキルややりがいってどうなの?
このような悩みを解決する記事となっています。
私自身は、これまで新規営業とルート営業を10年程度経験しています。
ここでは、その経験を活かして、新規営業の定義や仕事を同じ方法別に分類されるルート営業と比較しながらご紹介します。
新規営業とは?
新規営業とは?について、以下の2つの軸で見てきましょう。
- 種類:営業方法別の一つ
- 定義:全く取引のない顧客に対して、新しく仕事の依頼を受ける営業
種類:営業方法別の一つ
営業の所属先には形態別の「メーカー営業/代理店営業/商社営業」、商材別の「有形営業/無形営業」、方法別の「ルート営業/新規営業」、顧客別の「法人営業/個人営業」があります。

また、営業のやり方には、手法別の「御用聞き営業/提案営業/ソリューション営業」、アプローチ別の「飛び込み営業/電話営業/紹介営業/反響営業」があります。

この中でも新規営業は方法別の一つに分類されるものになり、その他の方法別に「ルート営業」と呼ばれるものがあります。
- ルート営業:既に取引のある顧客に対して、定期的に仕事の依頼を受ける営業
- 新規営業:全く取引のない顧客に対して、新しく仕事の依頼を受ける営業

ルート営業と新規営業の違いは、「既に信頼関係があり、売上が安定」か「一から信頼関係構築、売上が不安定」かといった違いがあります。
定義:全く取引のない顧客に対して、新しく仕事の依頼を受ける営業
新規営業とは「全く取引のない顧客に対して、新しく仕事の依頼を受ける営業」となります。
その名の通り、飛び込み営業や電話営業等の手段を使って新しい顧客へアプローチして、仕事の依頼をもらう営業となります。
新規営業の例としては以下のようなものがあります。
- 食品メーカーの営業:全く取引のない法人顧客へ、飛び込み営業をして自社食品を売る
- 証券の営業:全く取引のない個人顧客へ、電話営業をして新しい金融商品を売る
- etc…

また、先ほどの図の通り、新規営業には、全部で8種類の所属先があり、いくつかの営業のやり方(アプローチ方法、手法ともに)があるのです。
新規営業の仕事内容

同じ方法別のルート営業との比較でいうと、新規営業は「ゼロから信頼関係構築、売上が不安定」という特徴があります。
全く取引のない顧客を相手にするため、誰に、どうやってアプローチするかから検討をして、アポイントを取得した後も、顧客毎に打合せをして、相手のニーズを引き出し、提案をして仕事の依頼を勝ち取らなければなりません。
そのため、商材等にもよりますが、数週間、数か月、一年以上と商談に時間がかかるケースがあります。
また、新規営業は、ルート営業と比較すると安定的な売上が見込めませんが、短期的に大きく売上を伸ばす可能性を秘めています。
要は、「来月までの売上目標まであと100万円足りない」という場面であっても、新規営業の場合は新しい顧客の新しい案件によって埋められる可能性があるということになりますね。

さらに、ここでは全く取引のない顧客に対して、どのようなアプローチのパターンがあるのか解説していきます。
- 飛び込み営業:アポイントなしで顧客を訪問する営業
- 電話営業:電話で商談のアポイントを取り付ける営業
- 紹介営業:人から顧客を紹介してもらう営業
- 反響営業:問い合わせがあった顧客に対する営業
アプローチ方法1:飛び込み営業
飛び込み営業とは「アポイントなしで顧客を訪問する営業」になります。
その名の通り、事前に面談のアポイントを取らないで、企業や個人宅を訪問して営業を行います。
ただし、突然訪問する営業になり、訪問される側は望んでいない訪問になることが多いため、営業を拒否されることがほとんどです。
アプローチ方法2:電話営業
電話営業とは「電話で商談のアポイントを取り付ける営業」になります。
取引のない企業や個人宅に電話をして、まずは商談のアポイントを取り付けることを言います。
商談のアポイントを取り付けたら、その後は訪問やテレビ会議を通じて営業活動を進めます。
基本的に電話営業は迷惑なものだと捉えられることが多く、アポイントが取れないことの方が圧倒的に多いです。
アプローチ方法3:紹介営業
紹介営業とは「人から顧客を紹介してもらう営業」になります。
その名の通り、知り合いや取引先、得意先(=紹介元)から新規の見込み顧客(=紹介先)を紹介してもらう営業となります。
営業からは「〇〇の企業や人を紹介して欲しい」と紹介元に伝えて、紹介元は「◇◇の商品がおすすめだから一度話を聞いてみない」と見込み顧客になりそうな人に声をかけてもらいます。
なので、このように「おすすめだよ」と紹介された顧客とは既に一定の信頼関係がある状態でスタートするため、受注までの時間を短縮できたり、受注確率を上げることができます。
アプローチ方法4:反響営業
反響営業とは「問い合わせがあった顧客に対する営業」になります。
その名の通り、インターネット、テレビ、新聞、ダイレクトメール等を使って自社の商品やサービスを宣伝して、それに問い合わせがあった顧客に対してアプローチを行う営業のことです。
なので、一般的にイメージがある営業からアプローチする形ではなく、顧客側からアプローチしてくれる形になります。
飛び込み営業や電話営業と違って、既に自社の商品やサービスに興味のある見込み顧客に対する営業活動のため、受注確率はそれなりに高くなります。
新規営業に必要なスキル
営業の種類に関わらず、営業に共通に必要なスキルは以下のようになります。
- 仮説思考力
- 論理的思考力
- 確率思考力
- PDCA力
同じ方法別のルート営業との比較でいうと、新規営業は戦略的思考力が必要とされます。
新規営業の仕事の流れは「リスト選定→ニーズの仮説構築→アプローチ→面談→プレゼン・クロージング」の全ての要素が入っています。
※ルート営業は、面談とプレゼン・クロージングのみです
具体的には、「今月の売上を達成するために、どこを訪問すべきか、そのうち何件訪問すべきか、飛び込みか電話かメールか何でアポイントを取るか、A社はおそらく〇〇のニーズがありそうだから、△△のサービスを提案をして・・・」といった、何もないところからこれらを考えることが重要であるため、戦略的思考力が土台として必要になってくるわけです。
大変ではありますが、この過程にスキルアップができるポイントがあります。
新規営業に向いてる人の特徴
新規営業ならではの向いてる人の特徴は以下だと考えています。
- 目標から逆算して動ける人
- 試行錯誤が好きな人
- スキルレベルを高めたい人
- バリバリ働いて稼ぎたい人
新規営業は、ノルマが設定されることが多く、営業活動全体の行動計画を作るのに加えて、一つの顧客から契約を獲得するための行動計画も必要です。
また、いつ・誰に・どのような内容で話すかなど仕事における変数が多いので、色々と思考錯誤が好きな人が向いてると言えます。
さらに、仕事の難易度が高くなるので、スキルアップを図りたい人、年収を高めていきたい人にはおすすめです。
新規営業に向いてない人の特徴
新規営業ならではの向いてない人の特徴は以下だと考えています。
- 計画を立てるのが苦手な人
- 消極的な人
- ストレス耐性が弱い人
- 失敗から学べない人
新規営業は、厳しいノルマ(=期間と目標数値)が設定されることがほとんどのため、日々なんとなく行動しているようでは到底ノルマを達成することができません。
また、たまたま仕事の依頼が降ってくるといったこともないので、普段から消極的でガツガツ仕事を取りに行く姿勢がないと、全く評価されないといった事態にもなってしまいます。
そして、日々の営業活動をしていると、「間に合っているので結構です!」「他社から購入することに決めました!」と断られることの方が多く、ストレス耐性が弱い人にとっては辛く感じることもあります。
そのような事態を打開していくには、断られた原因を突き止め、次の行動を改善していく姿勢が必要になります。
新規営業のやりがい
新規営業ならではの感じるやりがいは以下だと考えています。
- 世の中で初めての仕事に関われるチャンスがある
- ゼロから仕事を作る喜び
- 会社の成長に貢献できていると実感できる
- 高いレベルでスキルが身につく
- 成績次第で給料が増える
新規営業は、自らの手で新しい仕事を取ってくるので、新聞や業界紙に載るような世の中で初めての取り組みに関われるチャンスがあります。
また、ルート営業に比べると、仕事の範囲も広くなるのと、信頼を一から築き上げないといけないので、仕事の難易度は上がり、高いレベルでスキルが身につきます。
さらに、頑張ることによって成果が上がれば、それが給料に反映されることもやりがいの一つになります。
新規営業の楽なところ
新規営業ならではの感じる楽なところは以下だと考えています。
- 顧客を選ぶことができる
- 失敗しても次がある
- 自分の頑張りが給料に反映される
新規営業は、自分が仕事をしてみたい会社をリスト化してアプローチをしたり、逆に仕事をしたくない会社はリストから外したりと、ある程度顧客を選ぶ権利があるのです。
しかし、もちろん顧客を選ぶことができても取引できるかどうかは別ですが、仮に競合他社に負けてしまっても次の新しい顧客へアプローチしていけばいいのです。
また、先ほどお伝えしたように、頑張って成果が上げれば給料に反映されるので、それが楽だと感じる人もいるでしょう。
新規営業のきついところ
新規営業のやりがいを感じるようになるためには、いくつかのきついところも乗り越えなければなりません。
そこで、私が実際に感じた新規営業ならではのきついところは以下の通りです。
- ノルマが辛い
- 飛び込み営業が辛い
- テレアポが辛い
- 行動量が成果に繋がりにくい
- 何のために仕事しているか分からなくなる
- 給料が不安定
先ほどもお伝えした通り、仕事の難易度も高く、そう簡単に新規の取引を開始させることはできません。
さらに、ノルマが課されるので、そのプレッシャーに打ち勝ちながら、日々の仕事を進めていかなければなりません。
新規営業の残業
新規営業の残業については、データがないため不明です。
dodaのデータによると、以下のようになっています。
営業職種 | 残業時間 |
---|---|
営業(金融) | 25.5時間 |
営業(IT) | 25.7時間 |
営業(商社) | 25.8時間 |
営業(メーカー) | 27.3時間 |
営業(メディカル) | 29.1時間 |
営業(サービス業) | 31.8時間 |
営業(建設/不動産) | 35.8時間 |
営業(小売/卸/外食) | 38.5時間 |
営業(広告・メディア) | 41.9時間 |
このように、新規営業といった項目がないため、一概に新規営業の残業時間は多いとか少ないとか論じることができません。
新規営業の休み
新規営業の休みについては、データがないため不明です。
dodaのデータによると、以下のようになっています。
営業職種 | 年間休日数 |
---|---|
営業(メディカル) | 128.1日 |
営業(IT) | 124.3日 |
営業(商社) | 123.4日 |
営業(メーカー) | 123.1日 |
営業(金融) | 122.1日 |
営業(サービス業) | 118.9日 |
営業(広告・メディア) | 116.3日 |
営業(小売/卸/外食) | 112.0日 |
営業(建設/不動産) | 110.2日 |
このように、新規営業といった項目がないため、一概に新規営業の年間休日数は多いとか少ないとか論じることができません。
新規営業の年収
新規営業の年収については、データがないため不明です。
マイナビagentのデータによると、以下のようになっています。
営業の種類 | 平均年収 |
---|---|
管理職・マネージャー(営業系) | 528万円 |
海外営業・貿易営業 | 513万円 |
営業企画・営業推進 | 490万円 |
法人営業 | 447万円 |
個人営業 | 424万円 |
代理店営業 | 423万円 |
ルートセールス | 403万円 |
内勤営業・カウンターセールス | 366万円 |
このように、新規営業といった項目がないため、一概に新規営業の年収は高いとか低いとか論じることができません。
ただし、新規営業の場合は、ノルマが設定されていることが多く、その達成度合いによってインセンティブが支払われるケースがあるので、年収が高くなる可能性を秘めています。
まとめ
本記事では、新規営業の定義や仕事内容、必要なスキル、向いてる人、向いてない人、やりがい、きついところ、残業、休み、年収について紹介しました。

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