- 営業は残業が当たり前って本当?
- 残業が多くなってしまう理由は?
- 残業を減らすためのポイントは?
このような悩みを解決できる記事となっています。
営業職は残業が多いと言われる職業の一つです。
残業が多くなってしまうにはそれなりの理由があるのと、一方で、仕事の仕方を工夫することで残業を大幅に削減することができます。
ここでは、私の実体験を交えながら、営業職の残業が多くなる理由と減らすためのポイントについてご紹介します。
ここでは、営業のよくあるイメージの一つである「残業が多い」についてご紹介します。
営業のイメージ
- 誰でもできる
- ノルマが厳しい
- 残業が多い ←今回の記事
- 休みが少ない
- 年収が高い
- 離職率が高い
- 接待が多い
目次
そもそも残業とは?
残業とは「労働基準法で決められた時間(法定労働時間)を超えた時間に行う労働のこと」です。
※法定労働時間とは、労働基準法によって、会社に対して「従業員をこの時間は働かせてはいけない」と制限している時間のこと
要は、「1日8時間を超えた労働時間」「週40時間を超えた労働時間」のどちらか一方を超えた時間のことを「残業」と言うのです。
したがって、たとえば定時が9時~18時(休憩時間1時間)の会社の場合、以下が残業に当たります。
- 1日8時間を超えた労働時間:18時を超えた時間が残業
- 週40時間を超えた労働時間:土曜日に1分でも出勤すれば残業
営業職の平均残業時間とは?
次に、営業職の平均残業時間を他の職種と比較しながら見てみましょう。
求人情報・転職サイトの「doda」によると、全職種の平均残業時間と営業職の平均残業時間は、以下の通りです。
職種 | 残業時間 |
全職種 | 22.8時間 |
営業職 | 31.2時間 |
出典:残業の多い職業・少ない職業は?全80業種、95職種別の残業時間調査!(doda)
このようにして見ると、営業職に限らずどの職種であってもある程度残業は発生していることが分かり、残業が全くないといった職種の方が珍しいと考えるべきかもしれません。
ただし、営業職は全職種の平均残業時間と比べると8.4時間多くなっていることが分かります。
営業職の残業が多くなる理由
なぜ、営業職の残業が多くなってしまうのか、その理由についてお伝えしていきたいと思います。
営業職の残業が多くなる理由
- ノルマを達成できていない
- 自分でコントロールできない時間がある
- 外回りがある
- そもそも残業が多い業界・会社に在籍している
理由1:ノルマを達成できていない
営業には「ノルマという明確な数値目標設定」があります。
仮に、この目標を下回りそうであれば目標達成に向けて行動量を増やさなけばなりません。
たとえば、顧客リストを増やす行動をする、顧客アプローチの数を増やす行動をする、提案書の質と量を増やす行動をする等、目標を達成するために残業をせざるを得ない状況になってしまいます。
理由2:自分でコントロールできない時間がある
営業職の特有のものとして「顧客との接点」があります。
この「顧客との接点」があることによって、「自分でコントロールできない時間」があるため、残業時間も多くなる傾向にあります。
たとえば、顧客から「先日の提案の〇〇が分からないから教えて」「至急〇〇商品の手配をしてくれる?」等とのように、「突発的な依頼」が来るため、予定が組みづらくなってしまうのです。
理由3:外回りがある
営業の仕事には「顧客との商談」や「商談以外の提案書・見積作成等の事務作業」があります。
売上を増やしていくためには、顧客との接点を増やす必要があり、日中は外回りをして顧客との商談や移動に時間を費やすこともあります。
そうなると、商談以外の事務作業は、勤務時間外にやらざる得なくなり、残業することになってしまいます。
理由4:そもそも残業が多い業界・会社に在籍している
残業が多い業界・会社に在籍しているのが原因の可能性もあります。
たとえ、いくら残業を減らす工夫をしても、そもそもの残業時間のベースが高ければ、あまり状況は良くならないかもしれません。
個人顧客を相手にしているといった業界特有の事情だったり、残業せずに帰りにくいといった会社特有の事情がある場合もあります。
営業職の残業を減らすためポイント
私もかつては残業が多くなってしまっていた方なのですが、今ではその状況が少しずつ改善されつつあります。
そのため、ここからは実際に残業を減らすことができたポイントをお伝えしていきます。
営業職の残業を減らすためのポイント
- ノルマ達成の術を知って実行する
- ある程度は我慢が必要
- 訪問以外の方法で顧客にアプローチする
- デッドラインを設定する
- 他の会社へ転職をする
ポイント1:ノルマ達成の術を知って実行する
これは理由1の「ノルマを達成できていない」に対する解決ポイントとなります。
ノルマ達成の術は以下のようになります。
- 必要なスキル・知識を身につける
- 正しいスキル・知識の活用の仕方を知る
- 目的・目標を見つける
- ある程度は我慢が必要
- 商品戦略を考える
- 他の会社へ転職をする
ノルマを達成するためには、スキル面のアップをするのと同時に、マインド面も上手くコントロールする必要があります。
また、そもそも自分以外の要因で売れない状況なのであれば、その状況を解決するために会社側に働きかけることも考えなければなりません。
ポイント2:ある程度は我慢が必要
これは理由2の「自分でコントロールできない時間がある」に対する解決策ポイントとなります。
「突発的な依頼」等が来ないように、顧客のスケジュールを把握してこちら側からコントロールすることもある程度は可能ですが、それには限界があります。
なので、営業という職をしている以上は、ある程度は我慢が必要なのです。
しかし、場合によっては、営業だけで対応できないときは、技術部門、物流部門等を巻き込む必要があり、そうなると営業以外の職種も残業が発生することもあります。
ポイント3:訪問以外の方法で顧客にアプローチする
これは理由3の「外回りがある」に対する解決ポイントとなります。
要は、テレビ会議や電話等を活用すれば移動時間そのものを削減することができます。
ただし、それぞれの手段毎にメリットとデメリットがありますので、状況に応じた使い分けが必要となります。
以下は、営業手段別の特徴を表した表と図になりますので、参考にしてみてください。
手段 | メリット | デメリット |
対面 | ・情報量(表情含む)が多い ・熱意が伝わりやすい ・セキュリティが守りやすい ・ひととなりを知ることができる ・非公式な相談ができる | ・移動に要する時間・経費 |
メール/SNS | ・いつでもどこからでも連絡できる ・関係者が多い時に迅速かつ正確に転送できる ・空いている時間に確認ができ、効率的に対応可能 | ・行間が伝わらず、発信者の意図が誤って伝わる ・文書の作成に時間を要する |
テレビ会議/電話 | ・隙間の時間でアポイント調整が可能 ・早いタイミングでアポイント設定をしやすい ・関係者が多い場合は日程調整の選択肢が増える ・30分以内の短時アポでも気兼ねなく設定できる ・応接室の確保が不要 | ・操作に不慣れな相手にとっては労力が大きい ・音声の遅延があり会話が重なってしまう ・表情が読み取りづらい ・対面の時よりも形式ばった雰囲気になりやすい |
ポイント4:デッドラインを設定する
これは理由1~4の「ノルマを達成できていない」「自分でコントロールできない時間がある」「外回りがある」「そもそも残業が多い業界・会社に在籍している」の全てに対する解決ポイントとなります。
営業職に限らずですが、仕事には終わりがなく、仕事をしようと思えばいくらでも仕事ができてしまいます。
そして、残業が常態化してしまうと、残業をすることに抵抗がなくなり、ダラダラと仕事をし続けてしまうようになってしまいます。
なので、有効な手段としては「デッドライン効果」といって、「今日は18時までに退社する」等と締め切りを決めることで集中力や生産性を上げるといった脳科学に基づいたテクニックを活用するのです。
ポイント5:他の会社へ転職をする
これは上の方法1~4を実践した上で、解決できなかった場合の解決策としましょう。
そうしないと逃げ癖が付いてしまい、転職をしてもまた残業が多いと不満を漏らし、乗り越えようともせずまた転職を繰り返してしまうからです。
というのも、私自身も最初は仕事が中々上手く回せず、残業ばかりしていた時期がありました。
しかし、上の1~4の方法を実践していくことで、徐々に残業時間を減らすことに成功しましたので、今の環境でできることもあるはずなのです。
営業職で残業が多い人におすすめの転職先
最後に、営業職で残業が多い人におすすめの転職先についてご紹介します。
営業職で残業が多い人におすすめの転職先
- ノルマが緩い業界(メーカー営業、インフラ業界)
- 残業が少ない業界(金融業界、IT業界など)
転職先1:ノルマが緩い業界(メーカー営業、インフラ業界)
「ノルマで残業が多くなるのは嫌だ!」という方向けに、そもそもノルマが緩い業界へ転職するという提案です。
実際に、ノルマが緩いと言われている業界があるので、その業界に転職することによって、ノルマを達成できていないから残業せざるを得ないという状況を避けるというものです。
一方で、ノルマが厳しいと言われている業界もあるので、合わせて理解しておくようにしましょう。
ノルマが緩い業界 | ノルマが厳しい業界 |
メーカー業界 | 不動産業界 (個人顧客向け住宅販売等の場合) |
インフラ業界 | 保険業界 (個人顧客向け保険商品販売の場合) |
ー | 金融業界 (個人顧客向け金融商品販売の場合) |
ノルマが緩い業界に分類したメーカー業界やインフラ業界は、営業の種類で言うところの方法別の「ルート営業」と顧客別の「法人営業」が共通しています。
ルート営業かつ法人営業だと、継続的で大きい売上が見込めるケースが多いため、ノルマが緩い傾向にあるのです。
また、ノルマが厳しい業界に分類した不動産業界や保険業界や金融業界は、営業の種類で言うところの方法別の「新規営業」と顧客別の「個人営業」が共通しています。
新規営業かつ個人営業だと、継続的に大きい売上もなく、案件一つ一つ単価も小さく、数を稼がなければならないので、ノルマが厳しい傾向にあります。
転職先2:残業が少ない業界(金融業界、IT業界など)
「根本的に残業が少ないところがいい!」という方向けに、残業が少ない傾向にある業界・会社へ転職するという提案です。
単純な話で、そもそも残業業が多くない業界に行けば、残業が少なくなる可能性があるということです。
もちろん、残業の多い少ないは、仕事をこなすスキルによるところもありますが、求人情報・転職サイトの「doda」の営業職種別の平均残業時間を見ると、業界によっても変わってくるようです。
営業職種 | 残業時間 |
営業(金融) | 25.5時間 |
営業(IT) | 25.7時間 |
営業(商社) | 25.8時間 |
営業(メーカー) | 27.3時間 |
営業(メディカル) | 29.1時間 |
営業(サービス業) | 31.8時間 |
営業(建設/不動産) | 35.8時間 |
営業(小売/卸/外食) | 38.5時間 |
営業(広告・メディア) | 41.9時間 |
出典:残業の多い職業・少ない職業は?全80業種、95職種別の残業時間調査!(doda)
ただし、これらはあくまで平均値だったりするので、転職を検討する場合は、しっかりと求人票を確認するなり、転職エージェントや口コミサイトで実態を調査するようにしましょう。
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転職を成功させるなら、「転職サイト」を活用して効率良く自分に合った求人を探し、「転職エージェント」を活用して書類選考通過率を高めることができます。
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【番外編】営業職の「残業代なしが当たり前」は間違い!
よく営業職は「営業手当やみなし労働時間制があるから残業代が出ない」と思っている方がいます。
しかし、勤務状況によっては、追加の残業代を請求できるケースがあるので理解しておきましょう。
その残業代を追加で請求できるケースは、元々営業手当やみなし労働時間制として〇時間分の残業代として含まれていても、その〇時間が実際に法定労働時間を超えて働いた時間数よりも少ない場合は、差分の残業代を請求できるのです。
ただし、意図的に残業代が支払われないこともあるようで、その場合は労働基準監督署に無料で相談をしてみるという手があります。
- 厚生労働省公式サイト(全国労働基準監督署の所在案内):
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/location.html
まとめ
この記事では、営業のイメージの一つである「残業が多い」について紹介しました。
本記事のまとめ
- そもそも残業とは?:労働基準法で決められた時間(法定労働時間)を超えた時間に行う労働のこと
- 営業職の平均残業時間とは?:営業職の平均残業時間は31.2時間、全職種の平均残業時間は22.8時間
- 営業職の残業が多くなる理由:①ノルマを達成できていない、②自分でコントロールできない時間がある、③外回りがある、④そもそも残業が多い業界・会社に在籍している
- 営業職の残業を減らすポイント:①ノルマ達成の術を知って実行する、②ある程度は我慢が必要、③訪問以外の方法で顧客にアプローチする、④デッドラインを設定する、⑤他の会社へ転職をする
- 営業職で残業が多い人におすすめの転職先:①ノルマが緩い業界(メーカー営業、インフラ業界)、②残業が少ない業界(金融業界、IT業界など)