- 新規顧客にどうやってアプローチすればいいの?
- アプローチの仕方によってメリットデメリットってある?
- アプローチが成功する確率を上げたい!
このような悩みを解決する記事となっています。
「営業は数打てば当たるはずだ」「先輩が電話営業しているから、自分も電話営業をしている」等の考えを持っているようでは、いつまで経っても顧客へのアプローチは上手くいきません。
ここでは、営業アプローチの具体的な進め方やいくつかの方法や手法についてご紹介します。
営業におけるアプローチとは?
営業の種類に関わらず、営業の基本的なプロセスは以下のようになります。
- リスト選定
- ニーズの仮説構築
- アプローチ
- 商談(雑談/ヒアリング/仮提案)
- プレゼン・クロージング
- 見込み顧客管理
「新規顧客を開拓するために、飛び込み営業するべきか、電話営業するべきか」といったように、1の「リスト選定」や2の「ニーズの仮説構築」のプロセスをすっ飛ばして、いきなり3の「アプローチ」(顧客と接点を持つための方法(=手段))を考える人がいます。
しかし、それだけでは不十分で、実際には以下の点を考えてアプローチしなければなりません。
- どの企業・部門・人にアプローチすべきか ⇒ リスト選定
- どの内容でアプローチすべきか ⇒ ニーズの仮説構築
- どの方法でアプローチすべきか ⇒ アプローチ
このようにアプローチする「①企業・部門・人、②内容、③ア方法」の3つを考えなければ、いつまで経っても新規顧客を開拓することはできません。
たとえば、高級車ディーラーの営業の場合、何も考えずにアプローチしていると、「軽自動車を検討している人ばかりにアプローチしてしまって、ほとんど家にいない人にも関わらず訪問営業ばかりしてしまっている」といった状況に陥り兼ねません。

これではなかなか成績は上がらないですよね。
営業アプローチの事前準備
それでは、具体的に1のリスト選定、2のニーズの仮説構築のやり方について解説します。
- リスト選定
- ニーズの仮説構築
事前準備1:リスト選定
そもそも全く自社の商品やサービスに興味がない顧客へアプローチをしていたら、アプローチの時間とコストだけが掛かってしまい、成果は一向に上がりませんよね。
しかし、一方で、アプローチする前に可能な限り自社の商品やサービスに興味のある顧客(=ターゲット顧客)を見極めることができれば、成果が上がりやすくなることは自明だと思います。
そのため、以下のようにターゲット顧客をリスト化していく必要があります。

リスト選定のやり方は以下の3ステップとなります。
- ターゲット選定
- 情報源の調査と選定
- 優先順位付け
自社の顧客になりうる企業や人の特徴は何なのか、その特徴を持った顧客の情報をどこから仕入れるか、その顧客リストの中からどの順序でアプローチしていくかを順に考えていきます。
事前準備2:ニーズの仮説構築
もし、あなたが営業マンから「〇〇商品の紹介に来ました!(=押し売り営業)」と言われたらどうしますか?
「うわー、めんどくさそうな営業がきたよ。」と心の中で思い、「間に合っているから結構です」「もう既に競合の商品を持っているので」と言って断りますよね。
このような押し売り営業にならないためにも、事前に顧客の課題を推定して「おそらく御社は◇◇という課題があると思っています。その課題を解決できる〇〇商品を紹介させてください!」とアプローチしなければなりません。
このようにアプローチすることによって、「なんでうちの課題が分かっているんだ」「普通の営業マンとはちょっと違うな」と驚きを与えることができて、次の面談に進める確率が上がります。
もちろん、事前に考えたニーズが100%当たっていることはありませんが、面談を重ねていくことで徐々に明確にしていくことが大事なのです。
営業アプローチの方法
これまでの事前準備ができたら、ようやく顧客への接点を持つためにアプローチしていきます。
アプローチには大きく以下の4つがあり、それぞれに特徴があるので、状況に応じて使い分けていく必要があります。
- 飛び込み営業:アポイントなしで顧客を訪問する営業
- 電話営業:電話で商談のアポイントを取り付ける営業
- 紹介営業:人から顧客を紹介してもらう営業
- 反響営業:問い合わせがあった顧客に対する営業
方法1:飛び込み営業
飛び込み営業とは「アポイントなしで顧客を訪問する営業」になります。
その名の通り、事前に面談のアポを取らないで、企業や個人宅を訪問するアプローチ方法です。
飛び込み営業には以下のようなメリットとデメリットがあります。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
飛び込み営業 | ・断られづらくなる ・決裁者に会えるチャンスがある ・伝達できる情報量が多い ・入手できる情報が増える | ・時間とコストがかかる ・効率が悪い ・今後アプローチできなくなる ・精神的なダメージを負う |
また、飛び込み営業のコツは以下の5つとなります。
- ニーズの仮説構築をする
- どのようにアプローチするか決める
- トークスクリプトを用意・実践する
- 周りを見渡す
- PDCAを回す
方法2:電話営業
電話営業とは「電話で商談のアポイントを取り付ける営業」になります。
取引のない企業や個人宅に電話をして、まずは商談のアポイントを取り付けることを言います。
電話営業には以下のようなメリットとデメリットがあります。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
電話営業 | ・時間とコストを抑えられる ・アプローチ数を稼げる ・断られたときのダメージが少ない | ・断られやすくなる ・伝達できる情報量が少ない ・精神的に辛くなる |
また、電話営業のコツは以下の9つとなります。
- 押し売りではなく、課題を解決するもの
- 購入確率が高い顧客をリスト化する
- ニーズの仮説構築をする
- 営業だと思わせない
- 意味あるものだと思わせる
- 短時間で済ませる
- 資料だけでも送らせてもらう
- トークスクリプトを用意する
- PDCAを回す
方法3:紹介営業
紹介営業とは「人から顧客を紹介してもらう営業」になります。
その名の通り、知り合いや取引先、得意先(=紹介元)から新規の見込み顧客(=紹介先)を紹介してもらう営業となります。
紹介営業には以下のようなメリットとデメリットがあります。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
紹介営業 | ・時間とコストを抑えられる ・受注率が高くなる ・価格の勝負になりにくい | ・紹介してくれるまでに時間がかかる ・紹介元との関係性が悪くなる可能性がある ・なかなか見込み顧客に辿り着けない |
また、紹介営業のコツは以下の4つとなります。
- 信頼関係が構築できている人に紹介してもらう
- 紹介元に価値を提供し続ける
- 紹介元にターゲット顧客を明文化して伝える
- 紹介元に資料を作って渡す
方法4:反響営業
反響営業とは「問い合わせがあった顧客に対する営業」になります。
その名の通り、インターネット、テレビ、新聞、ダイレクトメール等を使って自社の商品やサービスを宣伝して、それに問い合わせがあった顧客に対してアプローチを行う営業のことです。
反響営業には以下のようなメリットとデメリットがあります。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
反響営業 | ・時間とコストを抑えられる(営業目線) ・受注率が高くなる ・精神的には楽 | ・時間とコストがかかる(会社目線) ・広告企画次第では非効率な営業になる |
また、反響営業のコツは以下となります。
- 問い合わせに素早く反応する
営業アプローチの後に取るべき手法
顧客にアプローチして、無事に面談に進むことができたのであれば、その後どんなスタンス(=手法)で営業活動をしていくのか決めなければなりません。
その手法には、大きく以下の3つがあります。
- 御用聞き営業:御用を聞いて指定された商品やサービスを売る営業
- 提案営業:顧客の課題を解決する商品やサービスを売る営業
- ソリューション営業:顧客の課題に対して商品やサービスを含んだ解決策を売る営業
手法1:御用聞き営業
御用聞き営業とは「御用を聞いて指定された商品やサービスを売る営業」のことです。
その名の通り、顧客に対して「必要なものはありませんか?」と聞いて、言われた商品やサービスを売る営業手法です。
ただし、この御用聞き営業は、既に取引のある顧客に対して(=ルート営業)行うもので、全く取引のない顧客に対して(=新規営業)行うものではありません。
御用聞き営業には以下のようなメリットとデメリットがあります。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
御用聞き営業 | ・時間とコストの削減 ・何かしら情報を掴める | ・売上をコントロールできない ・競合他社に負ける |
手法2:提案営業
提案営業とは「顧客の課題を解決する商品やサービスを売る営業」のことです。
提案営業は、大きくは「課題を特定する」という行為と、「その課題を解決できる商品やサービスを提案する」という行為を行っていくことになります。
提案営業には以下のようなメリットとデメリットがあります。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
提案営業 | ・売上をある程度コントロールできる ・営業としての価値が上がる | ・時間とコストがかかる ・煙たがられるリスクがある |
手法3:ソリューション営業
ソリューション営業とは「顧客の課題に対して商品やサービスを含んだ解決策を売る営業」のことです。
提案営業と異なるのは、商品やサービス起点の提案ではなく、課題起点で商品やサービスをカスタマイズしたりする提案となります。
ソリューション営業には以下のようなメリットとデメリットがあります。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ソリューション営業 | ・売上規模が大きくなる ・強固なパートナーシップを築ける | ・時間とコストがかかる ・スキルが必要になる |
まとめ
本記事では、営業アプローチの具体的な進め方やいくつかの方法や手法について紹介しました。

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