- 営業は仮説思考が大事!とか言うけど、どうやるの?
- 仮説思考のメリットって何?
- 仮説思考をするときの注意点は?
このような悩みを解決する記事となっています。
営業が仮説思考できるようになると、仕事のスピード・質、受注確率の向上が見込めるので、ぜひとも身につけるべきです。
ここでは、営業に必要なスキルの一つである「仮説思考力」のメリットややり方についてご紹介します。
営業に必要なスキルに関する記事
- 仮説思考力 ←今回の記事
- 論理的思考力
- 確率思考力
- PDCA力
仮説思考とは?
まず、そもそも仮説とは何なのかをWikipediaで見てみましょう。
- 仮説とは、真偽はともかくとして、何らかの現象や法則性を説明するのに役立つ命題のこと。「仮に設けたもの」という原意に則り「仮設」と表記されることもある
分かりやすく言うと、「限られた情報から、目標達成や問題解決に向けた仮の結論を持って、その仮説に基づいて情報収集して、その結論が正しいのかを検証・修正していく能力」のことです。
これは誰もが日常生活で行っていることであって、「平日は混雑によって10分くらい電車の到着が遅れるから、休日のときより10分早く家を出ておこう」といったようなものですね。
今ある情報から仮の答えを出しておいて(休日のときより10分早くに家を出る)、実際に検証をしてみて(通勤してみて)、その仮の答えがあっていれば法則と認められて、間違っていれば新しい仮説を立てるといったようにしていきます。
営業が仮説思考をするメリット
では、なぜ営業にとってこの仮説思考が重要なのか見ていきましょう。
仮説思考をするメリット
- 仕事のスピードが早くなる
- 仕事の質が安定する
- 顧客との信頼が増す
メリット1:仕事のスピードが早くなる
仮説思考は、答えありきでスタートするため、仕事のスピードが早くなります。
だいたい経験の浅い新入社員は、経験したことがない状況に出くわすと「私には経験がないのでわかりません」と言って、動けない状態になってしまいますよね。
そうなると、先輩に同行して先輩のスキルを盗んで経験を積んだりするまでは、自分で仕事を回すことができなくなってしまいます。
しかし、「答えはこれだろう」と答えありきでスタートすることができれば、すぐに動き出すことができますし、仮に答えが間違っていたとしたら修正すればいいだけの話になるので、仕事のスピードが早くなっていきます。
メリット2:仕事の質が安定する
仕事の質が安定するといったメリットもあります。
仮説思考をして検証していった結果、「このタイプの人は、〇〇の話をするとウケがいいはずだ」「〇〇の課題があるときは、△△の原因が考えられ、◇◇の解決策がベストだろう」といったように法則性が見えてきたら、今後も使える型としてストックすることができます。
仮説思考⇒検証といったことを実施しないと、都度場当たり的な対応となってしまい、成果もなかなか安定しなくなります。
メリット3:顧客との信頼が増す
たとえば、顧客との商談の際に仮説思考をせずに挑むと「何か課題や欲しいものはありませんか?」といったように、御用聞き営業になってしまいます。
御用聞き営業の場合は、「今は特にないよ!」と言われてしまうと、それより先に話が進まなくなり、商談は終了です。
しかし、仮説構築をしていると「おそらく御社は〇〇といった課題があり、悩んでいるのではないでしょうか?」といった会話をすることができて、顧客からは「え、なんでわかったの!?」と驚きを与えることができます。
そうなると、「この人に色々話をすると良い答えを提供してくれそう」と思われて、信頼度が増し、今後の商談を有利に進められるようになります。
営業が仮説思考をするときのポイント
仮説思考するときのポイントはいくつかあるのですが、最低限押さえておくべきポイントは以下の2つになると考えています。
仮説思考をするときのポイント
- 論理的思考(ロジカルシンキング)をする
- 行動に結びつく仮説を構築する
ポイント1:論理的思考(ロジカルシンキング)をする
論理的思考の詳しい説明は、別記事に譲りますが、ここでは要点だけを説明していきます。
仮説思考する際は、今ある情報で結論と根拠の関係性を明らかにしていくのですが、そのときに重要なのが、So What?は「だからどうした?」とWhy So? は「なぜそうなのか?」と問いかけていくことになります。
たとえば、先ほどの「平日は混雑によって10分くらい電車の到着が遅れるから、休日のときより10分早く家を出ておこう」の場合だと、結論が「休日のときより10分早く家を出る」で、その根拠は「先週の月曜日は8分の電車遅延」「先週の火曜日は11分の電車遅延」「先週の水曜日は9分の電車遅延」・・・、といった感じになります。
ポイント2:行動に結びつく仮説思考をする
仮説思考しても、結局行動できなければ意味がありません。
たとえば、「営業効率が悪いから売上が伸びていない」と仮説思考した場合、「営業効率が悪い」という言葉の粒度が粗すぎて、どういうアクションをしたら良くなるのか分からないですよね。
そのような場合は、もっと仮説を掘り下げる必要があります。
具体的には、「営業効率が悪いのは、そもそも筋の悪い顧客にアプローチし過ぎていて、筋の良い顧客にアプローチできていないからではないか」「その原因は、顧客リストに優先順位をつけずに、むやみやたらにアプローチしているからではないか」といったように仮説を掘り下げていけば、「じゃあまずは顧客リストに優先順位をつけよう」と具体的な行動を取ることができます。
営業が仮説思考をするときの注意点
仮説思考の話をすると、「いやいや、とはいえ今の状況から仮の答えを出すだけの情報がないし、仮に答えを出しても信頼性はかなり薄いからな・・・」といったように、心理的抵抗から抜け出せなくなってしまう人がいます。
仮説思考をするときの注意点
- 「今できることは何か」を徹底する
注意点:「今できることは何か」を徹底する
そこで、「今できることは何か」といった思考に切り替えることをおすすめします。
具体的には、
- 私のスキルではできない
- 今ある情報ではわからない
- 当社には経験がないから難しい
ではなく、
- 私のスキルでできることは・・・
- 今ある情報でわかることは・・・
- 当社の経験から可能そうなことは・・・
と、完璧主義的な考え方は辞めて、少しハードルを下げて検討してみます。
そうなると、できないから/わからないから/難しいからといった言い訳から思考停止してしまうといったことが避けられます。
営業での仮説思考の使い方【場面別】
実際の営業プロセスの中において、仮説思考をどのように使うのか例を挙げて見ていきましょう。
営業の仕事内容は、以下のようにリスト選定、ニーズの仮説構築、アプローチ、面談、プレゼン・クロージング、見込み顧客管理があります。
- リスト選定
- ニーズの仮説構築
- アプローチ
- 面談(雑談/ヒアリング/仮提案)
- プレゼン・クロージング
- 見込み顧客管理
リスト選定では、自社の顧客になり得る会社や個人を何らかの基準を設けてリストを作っていきます。その際に過去に自社の顧客になったリストを基に「売上規模が100億円以上、従業員数が300人以上の会社、・・・」「男性、20代、関東在住、・・・」が基準としてはいいのではないか?といったように考えていきます。
ニーズの仮説構築では、リスト選定した企業の中期経営計画等から、「3年後に〇〇を目指そうとしているから、それを目指す中でおそらく△△といった課題があるのではないか」と仮説を立てていくので、決して「何か困っていることはありますか?」と御用聞きになることは避けましょう。
アプローチでは、「社長に電話を繋いでもらうために、自社の実績を伝えた方が興味を持ってもらえるのではないか」「営業の電話お断りの会社だから、飛び込みでアプローチした方がいいのではないか」等のように検討していきます。
面談、プレゼン・クロージングでは、「決裁者は新しいもの好きだという情報があるから、今回の提案ではいかに最新の取り組みであることを伝えよう」「実績を重視する会社だから、提案書ではこれまでの実績を盛り込もう」等、自分達が伝えたいことを伝えるだけのコミュニケーションは辞めましょう。
見込み顧客管理では、「これまでの傾向から100件アプローチして約3件契約できるから、6件契約するためには200件アプローチしよう」と考えます。
まとめ
この記事では、営業に必要なスキルの一つである仮説思考力について紹介しました。
本記事のまとめ
- 仮説思考とは?:仮の結論を持って、その結論が正しいのかを検証・修正していくこと
- 営業が仮説思考をするメリット:①仕事のスピードが早くなる、②仕事の質が安定する、③顧客との信頼が増す
- 営業が仮説思考をするときのポイント:①論理的思考をする、②行動に結びつく仮説思考をする
- 営業が仮説思考をするときの注意点:「今できることは何か」を徹底する
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