- 営業のやりがいを知りたい!
- 営業の種類毎にやりがいって違うの?
- とはいえ、営業って大変なんだよね?
このような悩みを解決する記事となっています。
営業のやりがいは、営業の種類・業界毎によっても違います。
ここでは、10年間3社での営業経験を基に営業種類・業界毎のやりがいについてご紹介します。
営業はやりがい・魅力のある仕事
私自身、営業はやりがい・魅力のある仕事であると思っています。
ただし、私が思っているだけでは信ぴょう性に欠けるので、他の調査結果も見てみましょう。
出典:日本の営業実態調査2019(株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ)
株式会社アタックス・セールス・アソシエイツによる調査結果によると、営業にやりがいを感じている人が8割を超えているようです。
この調査で対象となった営業マンの内、もともと営業職をやりたかった人が4割程度であることを考えると、仕事を通して営業職のやりがいを感じた人も一定数存在していることが分かります。
また、営業職のどのようなことにやりがい・魅力を感じているのでしょうか。
yahoo知恵袋で「営業 やりがい・魅力」と検索してみると、以下の発言がありました。
出典:yahoo知恵袋(コメント一部抜粋)
- 交渉術が身につく
- 人との関わりが濃い
- 人脈づくりがしやすい(競合他社の営業マンとも仲良しになる)
- メリットは給料が良く、インセンティブ(特別ボーナス)などもある、実力主義で出世できる事など。
- その業界の(競合他社なども含めて)情勢に詳しくなれる
- 服装やビジネスマナーがきちんと自分のものとなる
- あらゆる仕事の基本である。
- 自由度が大きい、考えることができる仕事
- ゲーム性がある、それが楽しい人もいる
このように「交渉術が身につく」「給料が良い」「あらゆる仕事の基本だ」等といった様々な発言がありました。
次からは、私自身の経験談をもとに、私自身が感じた営業のやりがい・魅力や上記の発言があった背景・理由についても紹介していきます。
営業のやりがい・魅力は種類・業界毎でも異なる
まず、営業には形態別の「メーカー営業/代理店営業/商社営業」、商材別の「有形営業/無形営業」、方法別の「ルート営業/新規営業」、顧客別の「法人営業/個人営業」があります。
私自身、商社(⑤法人新規向け有形商社営業)、人材開発会社(⑧法人既存向け無形メーカー営業)、IT企業(②法人新規向け無形メーカー営業)と経験したことがありますが、このように営業の種類が変わるとやりがい・魅力も大きく変わりました。
そのため、「営業は〇〇がやりがいだ!」と決めつけてしまうのではなく、営業の種類別でやりがい・魅力を理解しておくのが良いです。
営業のやりがい・魅力を種類・業界毎で解説
ここからは、全営業職共通のやりがい・魅力と営業種類別のやりがい・魅力を分けて見ていくことにします。
全営業職共通のやりがい・魅力
全営業職共通のやりがい・魅力は以下のものがあります。
- 成果が数字に現れる
- 人との繋がりが増える
- 人とのコミュニケーションが上手くなる
- 汎用的なスキルが身につく
やりがい・魅力1:成果が数字に表れる
営業は明確に成果が数字に現れる仕事になります。
一月、半期、年間といった単位で「Aさんは、〇円の売上を獲得しました」と明確に数値化され、良くも悪くも数字で成果が分かります。
したがって、「次は〇円を目指すぞ」「Bさんには絶対勝ってやる」といったように、この数字がやりがい・魅力やモチベーションに繋がることもあります。
「3ヶ月後に〇kg痩せる」「TOEICで〇点取る」という目標を立てて、それをモチベーションに頑張ってきたという人もいますよね。まさにその感覚です。
また、成果が明確に数値化されるので、成果を出したときには評価されやすく、歩合制を導入している会社であれば給料アップも狙えます。
やりがい・魅力2:人との繋がりが増える
社内外も含めると「人との繋がり」が多い職種となります。
人との繋がりが多くなると、ビジネスにおけるさまざまな有益な情報や知識を得ることができたり、相手が優秀な人であればその人のスキルを盗んで自分のモノにすることだってできます。
また、長期的な関係を持つことができれば、仮に自分の環境が変わったとしても、「また協力して欲しい」と仕事の依頼が来ることだってあります。
やりがい・魅力3:人とのコミュニケーションが上手くなる
自社の商品を顧客に購入してもらわなければなりません。
そのためには、「この商品はぜひ購入したい!」と顧客の心を動かしていく必要があります。
顧客の心を動かすためには、「なぜこの商品が良いのか」を論理的に説明するのに加えて、感情にも訴えかけないといけません。
そして、営業を経験していくと、なぜ購入してくれたのか、なぜ購入してくれなかったのか、自分には論理と感情のどっちが不足していたのかといったことが経験していく中でわかってくるようになり、徐々に人とのコミュニケーションが円滑に図れるようになります。
営業で身につけたコミュニケーション術は、普段の生活の中でも活用することができます。
やりがい・魅力4:汎用的なスキルが身につく
他の業界や他の業種でも活かせる汎用的なスキルを身につけることができます。
特に以下の4つのスキルを活用する場面が多く、経験とともに着実にスキルアップしてきます。
- 仮説思考力
- 論理的思考力
- 確率思考力
- PDCA力
また、顧客のフロントに立って仕事の依頼を持ってくる営業職がないといった企業はありませんので、今後、転職もしやすいですし、起業するにしても必ずその経験が活きます。
メーカー営業のやりがい・魅力
メーカー営業とは「自社の商品やサービスを直接顧客に売る営業」となります。
メーカー営業ならではのやりがい・魅力については、以下のようなものがあります。
- 自社の商品やサービスを世の中に広められる
- 顧客の課題解決を自らが中心となってできる
- 専門性が高い
やはりメーカー営業は、自社の商品やサービスを扱っているということで、誇りを持って世の中に広めていけるところがあります。
また、先ほど「提供するものが自社の能力に限られる」と言いましたが、とはいえ、商社営業とは違って、自分達の能力で直接顧客の課題を解決できるところに喜びを感じます。
代理店営業のやりがい・魅力
代理店営業とは「自社の商品やサービスを売ってくれる代理店の開拓やサポートをする営業」となります。
代理店営業ならではのやりがい・魅力については、以下のようなものがあります。
- 会社(代理店)の経営をサポートできる
- チーム一丸となって仕事を進められる
- 経営者や管理職に必要なスキルが身につく
代理店営業は、代理店のサポートが大変な仕事ではあるのですが、目標を達成したときには代理店の人達とその喜びを分かち合うことができます。
また、その過程で、販売戦略を考えたり、マネジメントをしていったりと、経営者や管理者に必要なスキルを身につける機会があることもプラスの要素かと思います。
商社営業のやりがい・魅力
商社営業とは「他社の商品やサービスを仕入れて顧客に売る営業」となります。
商社営業ならではのやりがい・魅力については、以下のようなものがあります。
- 本質的な課題解決に関われる
- 課題解決能力が身につく
- 人と人を結びつけて新しい価値を出せる
- 給料が高め
商社営業は、自社で持っている商材ありきで解決策を検討するのではなく、顧客の課題ありきでそれを解決できる商材を検討するので、本質的な課題解決に関われます。
そのため、課題解決能力を高めていくことができます。
また、その過程で、様々な企業や人を繋げていくことで、新しい価値を創出できるようになることもやりがい・魅力を感じることがあります。
有形営業のやりがい・魅力
有形営業とは「形のある商材を扱う営業」となります。
有形営業ならではのやりがい・魅力については、以下のようなものがあります。
- 成果が目に見える
- 仕事に愛着が湧きやすい
有形とはその名の通り「形のある商材」を扱うので、商材が売れた時には成果が目に見える形でわかります。
「あの家は俺が受注した」「うちの商品はこのブランドの洋服の素材に使われている」等と、世の中に目に見える形で自分の成果が現れるのは嬉しいものです。
また、目に見える商材を扱っている分、その商品や仕事自体にも愛着が湧きやすくなります。
普段の生活でも「物に愛着が湧きすぎて捨てられない!」といったことがあると思います。
それと同じことが有形営業にもあって、「こんなに良い商品だったら、ぜひお客さんにも購入して使ってもらいたい!」とモチベーションになることがあります。
無形営業のやりがい・魅力
無形営業とは「形のない商材を扱う営業」となります。
無形営業ならではのやりがい・魅力については、以下のようなものがあります。
- 自分のアイデアが形になる
- 思考スキルが身につく
有形営業だと、営業が勝手に商品のスペックや形を変えることはできません。
しかし、無形営業は「課題解決策そのものを提案する営業」となるので、営業自身で考えたアイデアが採用されて、そのまま解決策として使われる(=サービス化される)こともあります。
ただし、課題解決策が簡単に思い浮かぶわけではありません。
まず、顧客の課題・原因を正確に理解し、今ある情報を整理しながら「仮にこのような方法なら課題を解決できるのではないか」といったように仮説思考をして、なぜその方法だと課題を解決できるのかを論理的思考を駆使して説明していかなければなりません。
このような過程を経ることで、課題解決といった面での思考スキルが身につきます。
ルート営業のやりがい・魅力
ルート営業とは「既に取引のある顧客に対して、定期的に仕事の依頼を受ける営業」となります。
ルート営業ならではのやりがい・魅力については、以下のようなものがあります。
- 顧客から頼られていることを実感できる
- 顧客のビジネスを深く知れる
- 既に関係性のある顧客のため精神的には楽
ルート営業は、長期に渡って顧客と関係性を築いていくので、「〇〇さんに支援してもらいたい!」等と頼られることを実感できます。
そのように頼られる存在になるためには、その顧客の業界、ビジネスモデル、課題等を知らなければならないので、自ずと知識が身につきます。
そうなると、「〇〇業界のことは〇〇さんに聞けばいい!」といったように、社内でもその業界のスペシャリストになることもあります。
新規営業のやりがい・魅力
新規営業とは「全く取引のない顧客に対して、新しく仕事の依頼を受ける営業」となります。
新規営業ならではのやりがい・魅力については、以下のようなものがあります。
- 世の中で初めての仕事に関われるチャンスがある
- ゼロから仕事を作る喜び
- 会社の成長に貢献できていると実感できる
- 高いレベルでスキルが身につく
- 成績次第で給料が増える
新規営業は、自らの手で新しいビジネスを作っていけるということで、新聞の一面を飾るような世の中にインパクトを与えられる可能性を秘めています。
また、新しい顧客との取引を開始することができれば、「A社は〇〇さんが開拓した第一人者だ!」と上司や同僚から言われることもあるでしょう。
さらに、新規営業は、ルート営業と比べると難易度が高いので、それだけ高いレベルでスキルが身につくことも長い目で見ると大きいです。
法人営業のやりがい・魅力
法人営業とは「企業などの団体が顧客の営業」となります。
法人営業ならではのやりがい・魅力については、以下のようなものがあります。
- 世の中に大きなインパクトを与えることができる
- 達成感が大きい
- 高いレベルでスキルが身につく
- 残業が少なめ、土日祝日で休みが取りやすい
- 給料が高め
法人の場合、取引金額が大きくなる分、世の中に大きなインパクトを与えたり、達成感も大きくなります。
また、一つの案件を受注できる難易度が高くなる分、食いっぱぐれないスキルを身につけることができます。
さらに、法人も土日祝日が休みなので、それに合わせて休みになる傾向があったり、大きな金額が動くため給料も高めに設定されていることが多いです。
個人営業のやりがい・魅力
個人営業とは「一般家庭の方が顧客の営業」となります。
個人営業ならではのやりがい・魅力については、以下のようなものがあります。
- 人の人生に直接関与できる
- 人間力(センス・人柄など)が磨かれる
- 成績次第で高収入が得られる
法人営業の場合だと、あくまでその商品やサービスの恩恵を受けるのは法人となりますが、個人営業だと、その恩恵を受けるのは個人になるので、人の人生に直接関与でき、心の底から感謝されることもあります。
また、相手にする個人は自分で購入の意思決定をするので、「あの営業マンは良い人そうだから」と個人的な感情だけで購入をしてくれる可能性があります。
そうなると、論理的に商品やサービスのメリットを訴えかけるだけではなく、相手の感情に訴えかけていくことも重要になり、人間力といったものが鍛えられることもメリットになるでしょう。
営業に向いてる人の特徴
営業にやりがい・魅力を感じていても、営業に向いてないときつくなってしまいます。
営業に向いてる人の特徴を確認し、自分に営業職の適性があるかチェックしてみましょう。
種類 | 向いてる人の特徴 |
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メーカー営業 | ・商品やサービスに愛着を持てる人 ・物事を深く突き詰められる人 ・自らの手で顧客の課題解決をしたい人 |
代理店営業 | ・チームで一つのものを作っていくことが好きな人 ・裏方的な方が性に合っている人 ・経営者や管理職に必要なスキルを身につけたい人 |
商社営業 | ・柔軟な考えができる人 ・色々なことに好奇心がある人 ・リーダーシップがある人 ・稼ぎたい人 |
有形営業 | ・商品やサービスに愛着がある人 |
無形営業 | ・物事を深く考えることが好きな人 |
ルート営業 | ・一つの仕事に深く関わっていきたい人 ・マメな人 ・ゆとりを持って働きたい人 |
新規営業 | ・目標から逆算して動ける人 ・試行錯誤が好きな人 ・スキルレベルを高めたい人 ・バリバリ働いて稼ぎたい人 |
法人営業 | ・論理的に物事を考えることが好きな人 ・長期間をかけて大きな案件を獲得したい人 ・チームで仕事を進めたい人 ・土日に休みたい人 ・安定的に稼ぎたい人 |
個人営業 | ・人に好かれやすい人 ・チームより個人で仕事をしたい人 ・バリバリ働いて稼ぎたい人 |
やりがい・魅力同様、同じ営業であっても営業の種類毎にかなり向いてる人の特徴も変わってくるのが分かります。
もちろん、全部当てはまっていないとダメということではなく、将来はこうなりたいという軸で考えるのもありです。
営業にやりがい・魅力を感じないと辛くなる
ここまでは、営業のやりがい・魅力について紹介してきました。
一方で、最初の章の「営業はやりがい・魅力のある仕事」でお伝えした通り、営業にやりがいを感じない人も2割程度いるのも事実です。
その理由についての言及はありませんでしたが、それは営業のきついところが勝ってしまったため、やりがいを感じなくなった可能性もあります。
そうなると、紹介したような営業のやりがい・魅力があるにも関わらず、感じなくなってしまい結果、毎日が辛くなってしまうことも考えられます。
そのため、あなたにとって「営業のやりがい・魅力 > 営業のきついところ」でありそうか、営業のきついところにも目を向けておきましょう。
営業はやりがい・魅力だけではなくきついところもある!
最後に、営業はやりがい・魅力だけではなく、きついところもあるので紹介します。
以下は、全営業職共通のきついところと営業種類別のきついところ一覧になります。
種類 | きついところ |
---|---|
メーカー営業 | ・関係部署との調整 ・商品やサービスの深い知識が必要 ・クレーム ・提供するものが自社の能力に限られる |
代理店営業 | ・自分の成果は代理店次第 ・問い合わせが多い ・自分の手で顧客の課題解決ができない |
商社営業 | ・扱う商材が多い ・メーカーと顧客との板挟み ・多くの人を巻き込まないといけない ・メーカーがいなければ何もできない ・飲み会が多い |
有形営業 | ・商品知識を身につける必要がある ・興味のない商品も売らなければならない ・納品・故障対応がある |
無形営業 | ・課題や解決策は一つとは限らない ・サービスの導入効果を示すことが難しい ・サービスの品質が担保されない |
ルート営業 | ・結局は人の仕事の引き継ぎ ・売上アップが難しい ・担当者との相性が悪い ・頻繁に電話が掛かってくる ・ルーチンワークが多い ・仕事の範囲が狭い ・刺激が少ない ・年収が低い傾向にある ・将来が不安になる |
新規営業 | ・ノルマが辛い ・飛び込み営業が辛い ・テレアポが辛い ・行動量が成果に繋がりにくい ・何のために仕事しているか分からなくなる ・給料が不安定 |
法人営業 | ・知識のインプット量が多い ・顧客の課題・原因や解決策が複雑 ・感情や勢いでは売れない ・キーマン・購買プロセスを押さえなければならない ・多くの人を動かす必要がある |
個人営業 | ・とにかく断られる ・一人でやり切らなければならない ・給料が低く、不安定 ・残業が多く、休みが少ない |
ここでは全営業職共通のものしか触れませんが、仮に、厳しいノルマを設定されてしまうと、それを達成できていなかったり、お客さんから断られ続けると、精神的にも辛くなってしまうケースがあります。
また、そうなると残業をすることでリカバリーしようとして、肉体的にも辛くなってしまう人もいます。
さらに、営業は色々な人と関わり合いながら仕事をすることになるので、そもそもコミュニケーションを取ることが苦手だったり、人を動かす力がないと難しいかもしれません。
といったように、営業にはきついところもありますので、あなたの成し遂げたいことややりがい・魅力と天秤にかけて見極める必要があります。
ただし、たとえどの職種であろうときついところはあるので、営業だけ特別にきつい訳ではありません。
営業のきついところについては、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
本記事では、10年間3社での営業経験を基に営業種類・業界毎のやりがい・魅力について紹介しました。
営業のことをまとめて知りたい方は、是非以下の記事もお読みください。