- 転職って悪いことだよね?
- もしこのまま転職をしなかったらどうなるの?
- 逆に転職したらどうなるの?
このような悩みに対する記事となります。
転職経験者の私から言わせてもらうと、転職は悪いことではなく、むしろ転職は良いことだと考えています。
また、現代の社会においては転職は悪いとは言っていられない状況ですし、私以外にも転職者が増えているのは事実です。
ここでは、転職は悪いことではない理由や転職をすることによるデメリットやメリットについてご紹介します。
目次
転職は悪いことだと思ってしまう理由
そもそも、なぜ転職は悪いことだと思ってしまうのでしょうか。
まずは、その理由について見ていきたいと思います。
転職は悪いことだと思ってしまう理由
- 「安定=良い」という価値観があるから
- 罪悪感があるから
理由1:「安定=良い」という価値観があるから
基本的に日本では「安定=良い」という価値観が根付いていますよね。
「あの人は大手企業に勤めていて将来安心だね」「芸人さんは安定してないから結婚は辞めておきなさい」等といった発言も、結局は「安定=良い」という価値観があるから出てくるものです。
なので、「転職=変化すること=安定ではない=悪い」となってしまうのでしょう。
理由2:罪悪感があるから
転職活動では3割の人が罪悪感を感じていたそうです。
- 転職活動の際、罪悪感を感じていた:29.9%
- 転職活動の際、罪悪感を感じていなかった:70.1%
出典:転職は悪いこと?罪悪感を感じるのは当然?転職時の罪悪感と上手に付き合う方法(リクナビNEXT)
その罪悪感は、同じ部署や他部署の同僚、上司、同期、先輩・・・等と一緒に働いていた身近な人達に感じていたそうです。
そして、その罪悪感を感じていた理由には、以下のようなものがあります。
- ただでさえ人が足りない職場なのに、自分が抜けることでさらに忙しくなるのが目に見えているから(女性/46歳/公務員)
- 同期が少ない職場なのに、自分が辞めるとさらに少なくなってしまうから(女性/28歳/介護・福祉)
- 一緒に頑張ってきた仲間を裏切ったような気持ちになったから(女性/42歳/土木)
- 手間をかけて自分を育成してくれた会社、上司や先輩たちの努力を無駄にしてしまうことになるのが申し訳ないから。特に、公正で信頼できる上司に対しては、とりわけ申し訳ない気持ちになった(男性/53歳/建設)
出典:転職は悪いこと?罪悪感を感じるのは当然?転職時の罪悪感と上手に付き合う方法(リクナビNEXT)
「自分が会社を辞めることによって残された人達に負担をかけてしまう」という意見や、「採用してもらった」「育ててもらった」という恩があるといった意見もありますね。
転職は悪いことだと言ってられない風潮
日本人特有の価値観によって「転職=悪いこと」と思ってしまうことは分かりました。
しかし、実はそんなことを言ってられない風潮になってきました。
転職は悪いことだと言ってられない風潮
- 終身雇用制度の崩壊
- 転職者数が年々増加
- 良い条件を求めるのは当たり前
風潮1:終身雇用制度の崩壊
日本企業には昔から「終身雇用制度」があり、「企業が倒産しなければ定年まで雇用され続ける」という日本ならではの慣行がありました。
要は、同じ会社に長く勤めた方が安定した生活が送れるといった「保障」があったんですね。
しかし、
- 終身雇用を守っていくというのは難しい局面に入ってきた
出典:トヨタ自動車社長、豊田章男氏の発言より(2019年5月13日)
と、トヨタ自動車社長の豊田章男氏が発言し、たとえ大企業であってもいつリストラされたっておかしくありません。
そんな「保障」がなくなった今、「転職すると損をする」「転職すると安定がなくなる」等といったように「転職は悪いこと」と言っている方が悪いことだと思いませんか?
風潮2:転職者数が年々増加
そんな中、日本の転職者数は年々増加しています。
出典:増加傾向が続く転職者の状況 ~ 2019 年の転職者数は過去最多 ~(総務省統計局)
転職者数の推移をみると、2011年以降はずっと増加傾向にあり、2019年には過去最高の351万人に到達していることが分かりますね。
なので、実際に「転職は悪いこと」だという風潮も薄れているのではないでしょうか。
風潮3:良い条件を求めるのは当たり前
そして、転職者の前職の離職理由は「より良い条件の仕事を探すため」といった理由が最も多くかつ年々増加しているようです。
出典:増加傾向が続く転職者の状況 ~ 2019 年の転職者数は過去最多 ~(総務省統計局)
これはものすごく当たり前の話で、今より良い条件の仕事が世の中でにたくさんあるはずで、皆それを求めて転職をしているということです。
おそらく、あなたも「人間関係が悪い」「給料が低い」「〇〇の仕事をしてみたい」「〇〇業界に行きたい」等といったように何かしらの不満や願望を抱えているのではないでしょうか。
転職はそのような不満を解消する一つの手段であって、自分の人生を豊かにしていくためのものであるわけですから、何も悪いことではないですし、むしろ今の状況を我慢しているようであれば損してしまいます。
転職に踏み切るかどうかの判断基準
とはいえ、転職は悪いことではないからといって何も考えずに転職をするわけにはいきません。
もちろん、転職にはデメリットもあるので、そのデメリットがメリットを上回っているのかといった視点でも見て判断しなければなりません。
そこで、ここからは転職をすることによるデメリットとメリットについて紹介していきます。
転職をすることによるデメリット
まずは転職をすることによるデメリットを見てみましょう。
転職をすることによるデメリット
- 退職金が少なくなる
- 信頼や評価がリセットされる
デメリット1:退職金が少なくなる
退職金は勤続期間が長ければ長いほど多くなります。
多くの会社では国家公務員の規定を参考にしていて、以下の式でで算出しています。
- 退職手当=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給率×調整率)+調整額
この「退職理由別・勤続期間別支給率」という項目が、勤続期間が長くなればなるほど掛け率が高くなり、退職金が多くなるのです。
なので、もともと退職金制度がない会社であれば問題ないですが、退職金制度が導入されている会社に勤めている場合は、転職することでその会社から貰えるお金が少なくなってしまうのです。
デメリット2:信頼や評価がリセットされる
転職をした場合は、今まで築き上げてきた信頼や評価といったものがゼロになってしまいます。
そのため、転職先の会社では、平社員からのやり直しや役職を得るために多くの時間が掛かってしまう場合があります。
また、日々の仕事においては、これまでは「〇〇が得意だからX案件を任せられていた」「◇◇が苦手だからY案件は降られなかった」等といったような、阿吽の呼吸で上手く回っていたこともあるでしょう。
そのようなこともリセットされるので、最初は精神的には辛くなってしまうかもしれません。
転職をすることによるメリット
次は転職をすることによるメリットを見てみます。
転職をすることによるメリット
- 年収が増える
- 自分のやりたい仕事ができる
- スキルアップができる
- 成長の機会が増える
- 客観的に物事が判断できる
- 働く場所を選べる
メリット1:年収が増える
これは今の会社より年収が高い会社に入社できれば実現できます。
そして、デメリット1の「退職金が少なくなる」については、年収が増えることでカバーできます。
私自身も以下のように転職をして年収を増やすことができました。
- 1社目:大手商社(4年在籍)⇒ 年収450万円
- 2社目:人材開発会社(8ヶ月在籍)⇒ 年収500万円
- 3社目:IT企業(5年在籍)⇒ 年収900万円
一方、転職をしない場合は、その会社で徐々に年収が増えるといっても上限があります。
転職をして会社が変われば給与基準のベース自体を上げられる可能性があるということです。
メリット2:自分のやりたい仕事ができる
社会人として働くようになると、「今の仕事の〇〇がつまらない」といった不満が出てきます。
また、それと同時に「〇〇のような仕事をしてみたい」「世の中の〇〇を変えたい」といった願望も持つようになってきます。
私自身もそうだったのですが、自分の中に不満や願望を持っているのに、それを我慢しながら仕事を続けることは苦痛でしかありませんでした。
しかし、転職をして自分の希望する仕事ができてからは、毎日楽しく過ごすことができるようになりました。
メリット3:スキルアップができる
持っているスキルの幅と深さをアップさせることができます。
「スキルの幅」については、やはり転職をすることによって多少なりとも仕事の内容が変わるため、それに応じて新たなスキルを習得することができます。
また、「スキルの深さ」については、自分の得意なスキルが発揮できる領域に身を置くことができれば、人に頼られるほどのスキルを身につけることができます。
どういうことかと言うと、どんな人でも得意なことと不得意なことがあり、得意なことであればどんどん上達していきますが、不得意なことはなかなか上達していきません。
私の場合は、不得意な有形営業から得意な無形営業へと転職をしたことによって、自分の得意な問題解決能力を発揮できる領域に身を置いたことで、少しづつではありますが上達できていると思っています。
メリット4:成長の機会が増える
転職をすることで、今までに出会ってこなかったタイプの人と一緒に仕事をする機会が生まれます。
私は、特に優秀な人に出会ったときには、「世の中には上には上がいるんだな」ということを認識できて、「負けてられない」と自分を鼓舞することができました。
また、そのような優秀な人を観察することによって、自分には持っていなかったスキルを盗むことだってできました。
メリット5:客観的に物事が判断できる
複数の会社で働いた経験があれば、それぞれの経験を踏まえた判断ができるようになります。
一つの会社でしか働いた経験がない場合は、その会社で決まった方針や意思決定の仕組みといった既存の枠組みを超えた考えができず、判断を誤ってしまう可能性があります。
しかし、複数の会社で働いた経験がある場合は、「前職のときに〇〇をやったら成功したから、この会社でも同様に〇〇をやった方が良さそうだ」等といったように、最適な判断をすることができます。
メリット6:働く場所を選べる
当たり前ですが、転職をする会社を選ぶということは、合わせて働く場所も選べるということになります。
私は1社目の会社では、全国転勤や海外転勤があったのですが、全く縁もゆかりもない場所に飛ばされてしまいました。
当初は、あまり働く場所は気にしないというスタンスだったのですが、いざ知り合いが全くいない場所に転勤をしてみると結構苦痛でした。
それからは、大学から住んでいた東京を拠点とする会社を選び、地方に行くリスクはなくなりました。
転職をするための3つのステップ
そして、ここまでで「転職は悪いことではない、むしろ自分にとっては良いことだ」と思えたなら、具体的に転職に向けて行動していきましょう。
難しいことは考えず、以下の3つのステップを踏めば大丈夫です。
転職をするためのステップ
- 転職したい理由を洗い出す
- 働く企業の要件を検討する
- 働く企業の要件を満たす求人を探す
ステップ1:転職したい理由を洗い出す
まずは、なぜ転職をしたいと思っているのか、その気持ちを洗い出しましょう。
たとえば、以下のような観点で洗い出していきます。
- 人間関係:不満はない
- 労働環境:土日休みがいい
- 待遇:希望の年収を下回っている
- 仕事内容:〇〇業界で〇〇をしてみたい
- 社風:不満はない
- やりがい:年功序列ではなく成果で評価されたい
- etc...
辞めたいとまではいかなくとも、少しの不満があるのであれば、それも含めて書いていくようにしましょう。
ステップ2:働く企業の要件を検討する
次に、ステップ1で洗い出した不満を取り除き、願望を満たせる「働く企業の要件」を検討していきます。
ここでは「年収は今より多い方が良い」とかではなく「年収は〇〇万円以上」といったように、できるだけ具体的にしていきます。
たとえば、以下のように「働く企業の要件」を抽出していきます。
- 人間関係:不満はない ⇒ あまり気にしない
- 労働環境:土日休みがいい ⇒ 土日休み
- 待遇:希望の年収を下回っている ⇒ 年収500万円以上
- 仕事内容:〇〇業界で〇〇をしてみたい ⇒ 〇〇業界の〇〇職種
- 社風:特になし ⇒ あまり気にしない
- やりがい:年功序列ではなく成果で評価されたい ⇒ 成果主義が導入されている
- etc...
要件をふわっとさせてしまうと、選択肢が多くなり過ぎてしまうのと、ミスマッチの可能性が高くなってしまうので気をつけましょう。
ステップ3:働く企業の要件を満たす求人を探す
最後に、ステップ2で検討した「働く企業の要件」を満たす求人を探していきましょう。
そのためには、まずは自分で抽出した「働く企業の要件」が揃っている求人が、この世の中に存在しているのかを確認しなければなりません。
まとめ
本記事のまとめ
- 転職は悪いことだと思ってしまう理由:①「安定=良い」という価値観があるから、②罪悪感があるから
- 転職は悪いことだと言ってられない風潮:①終身雇用制度の崩壊、②転職者数が年々増加、③良い条件を求めるのは当たり前
- 転職をすることによるデメリット:①退職金が少なくなる、②信頼や評価がリセットされる、③スキルを積み上げたものが一部リセットされる
- 転職をすることによるメリット:①年収が増える、②自分のやりたい仕事ができる、③スキルアップができる、④成長の機会が増える、⑤客観的に物事が判断できる、⑥働く場所を選べる
- 転職をするための3つのステップ:①転職したい理由を洗い出す、②働く企業の要件を検討する、③働く企業の要件を満たす求人を探す